美容室を開業するにあたり、できるだけ初期費用を抑えて運転資金を確保したいものですよね。美容室を開業するときにかかる主な初期費用は、テナントの契約にかかる費用と、内装工事にかかる費用の2つです。

妥協せずに立地を選びたい場合に節約を目指せるポイントとなるのは内装工事なので、あらかじめ美容室の内装工事にかかる一般的な費用相場を知っておきましょう。この記事では、内装工事費用を抑えるためのポイントも交えながら、美容室の開業にかかる費用の目安をご紹介します。

美容室の内装工事にかかる費用の目安は坪単価20万円～60万円

結論から申し上げますと、美容室の内装工事にかかる費用の目安は、坪単価20万円～60万円です。費用には幅がありますが、平均的な予算としては坪単価20万円～40万円、什器などにもこだわって作りこみたい場合は、坪単価40万円～60万円がかかります。

【美容室の内装工事にかかる費用の目安】

作り方		標準的な工事	高度な工事
坪単価		20万円～40万円	40万円～60万円
総工費の目安	10坪	200万円～400万円	400万円～600万円
	15坪	300万円～600万円	600万円～900万円
	20坪	400万円～800万円	800万円～1,200万円
	25坪	500万円～1,000万円	1,000万円～1,500万円

ただし、坪数が小さいほど工事費はやや割高になります。人件費やエアコンの容量などが同じ場合、より坪数が多いほうが単価が安くなるためです。

美容室の内装にかかる費用は物件の種類によって異なる

先ほどご紹介したとおり、美容室の内装工事にかかる費用相場には最大で500万円もの幅があります。この差額がなぜ生まれるのかと言うと、物件の種類によって内装工事費の目安が変わるためです。物件の種類ごとの傾向を確認しておきましょう。

＜物件の種類ごとに見た美容室の内装工事費用の傾向＞

・「居抜き」は最小限の費用に抑えられる
・「新築」は費用が高額になりやすい
・「改築」は解体を伴う場合の費用が高額になる

「居抜き」は最小限の費用に抑えられる

居抜きとは、前に入居していた美容室の設備をそのまま引き継いで営業することです。物件の状態によっては、ほとんど内装工事をせずに使い始めることも可能なため、とにかく内装工事の費用を抑えたい場合は居抜き物件の契約を検討しましょう。 

「新築」は費用が高額になりやすい

新築とは、ビルなどの建物自体が新築の状態、もしくは躯体だけの物件にゼロから内装工事を行う状態です。新築は、美容室を新規出店するときにもっとも多く選ばれています。

ビル自体が新築の場合、美容室の内装に合わせて配管を調整してくれる場合がありますが、それ以外のケースでは間取りに応じて配管を引き直さなければなりません。このため、配管距離が長くなったり、外壁に穴を空けて配管を通したりする場合の工事費用が高額になりがちです。 

「改築」は解体を伴う場合の費用が高額になる

改築とは、物件の内装や設備を解体して内部を作り変える種類です。費用相場は解体の範囲によって異なり、ごく一部の解体で済む場合は新築と比較して安く抑えられます。しかし、内装のすべてを解体して作り変える場合は、新築工事に加えて解体費用がかかるため、費用相場はもっとも高額です。 

美容室の内装工事費用を抑えるためのポイント

20坪以上の美容室を開業する場合、内装工事にかかる費用は1,000万円以上に及ぶ可能性があります。内装工事の秘湯を少しでも安く抑えたい場合は、これからご紹介する5つのポイントを守りましょう。

＜美容室の内装工事費用を抑えるためのポイント＞

• 見せ所を絞り込む
• 中古品の什器を購入する
• 内見時に配管の状態などを確認しておく
• できる限り1階のテナントに入居する
• 設計から施工までワンストップで依頼できる内装業者を選ぶ

見せ所を絞り込む

お店の顔となるエントランスや、顧客が長い時間を過ごすセット面の付近など、見せ所を絞り込んで内装工事を依頼しましょう。すべての空間にこだわると、壁紙や床材、インテリア、什器などの購入に費用がかさみ、総工費が高くなってしまいます。

顧客があまり長い時間を過ごさないシャンプー台の周辺や、移動経路として使う通路などには、じっくりと立ち止まって注目されることがありません。こういった箇所には割安な材料を用いた内装を行い、費用を節約すると良いでしょう。 

中古品の什器を購入する

中古品の什器や家具などを購入することも、節約につながります。業者によっては革部分のシート交換などを行ってくれる場合があり、清潔で見た目は新品同様の什器を購入することも可能です。すべてをオーダーメイドで制作すると、高額な請求は避けられません。 

内見時に配管の状態などを確認しておく

内見時に細かく現場調査をすることもポイントです。希望する間取りを実現するために、新しく配管工事が必要になる場合は高額な工事費用がかかるため、主に配管の状態を確認しましょう。また、設備容量が足りない場合は追加工事が必要になるため、この点にも注意して物件選びを進めてください。 

できる限り1階のテナントに入居する

できる限り1階のテナントを探しましょう。内装工事をするとき、外部での高所作業を伴う場合は別料金が発生します。たとえばエアコンの室外機を取り付ける外装工事が必要な場合や、什器をエレベーターで搬入できずにレッカーを使う必要が生じた場合は、高額な特殊作業料金がかかるため要注意です。

ただし、路面店となる1階のテナントは、2階以上のテナントと比較して家賃が高い傾向にあります。物件を契約する費用と内装工事費用のバランスを見ながら物件選びをすることが重要です。 

設計から施工までワンストップで依頼できる内装業者を選ぶ

高品質かつ低価格な内装業者を見つけるポイントは、設計から施工までをワンストップで依頼できる内装業者に絞り込むことです。

設計だけを担当し、工事を下請けや孫請けに依頼する内装業者を利用すると、中間マージンが発生するぶん内装工事の費用が高くなります。設計から施工までを自社で一括対応できる会社なら、無駄なコストを省けるため低価格になりやすく、営業・施工の担当者が密にコミュニケーションを取れるため、内装工事の品質も優れています。

まとめ

美容室の内装工事にかかる費用の目安は、坪単価20万円～60万円と考えましょう。物件の種類によっても工事費の目安が変わり、もっとも安く開業できるのは居抜き物件です。設計時には見せ所を絞り込んだり、設計から施工までをワンストップで対応できる内装業者を選んだりすると、内装工事にかかる費用を安く抑えられます。

FACE YOUは、内装デザインにおけるプランニングから設計、施工管理、アフターフォローまでをワンストップでご対応する内装の専門業者です。美容室の内装を手掛けた実績も豊富で、理想とする内装をご希望の予算内で実現する自信があるため、費用を抑えて美容室を開業したい方はお気軽にご相談ください。