QSCとは?頭文字の意味や向上・改善するためのメリットとポイントをご紹介
サービス業において、顧客満足度を高めるための施策として注目されているのが「QSC」です。QSCを維持できていないと、顧客が求めるサービスを提供できず、売り上げを落とす可能性もあるため注意しなければなりません。
この記事では、QSCの意味を解説することに加えて、近年重視されるプラスアルファの要素「VHA」についてもご紹介します。また、QSCを向上・改善させるメリットやポイントもご紹介するので、ぜひ参考になさってください。
QSCとは?頭文字の意味をそれぞれ解説
QSCとは「Quality」「Service」「Cleanliness」の頭文字をとった言葉です。日本語では「品質」「接客」「清潔」を表しており、いずれも飲食店などのサービス業において重要なポイントとなります。まずは、それぞれの頭文字の意味を見ていきましょう。
<QSCとは>
- Quality(クオリティ)
- Service(サービス)
- Cleanliness(クレンリネス)
- QSCに加えて重視される「VHA」とは
Quality(クオリティ)
クオリティとは、店舗で提供するサービスの品質です。一例として飲食店の場合は「味がいいか」「提供スピードが速いか」「価格がリーズナブルか」など、クオリティにはさまざまな要素が含まれます。チェーン店の場合は、すべての店舗で同じクオリティを保たなければなりません。
Service(サービス)
サービスとは、主に店舗で行う接客内容の品質です。飲食店の場合は「予約時の電話対応」からはじまり、「入店案内」や「挨拶」、「提供時の丁寧さや美しさ」などがサービスの要素に含まれます。サービスに関する満足度が低いと、たとえ料理がおいしくても、全体的な満足度は引き上げられません。
Cleanliness(クレンリネス)
クレンリネスとは、店舗内の清掃や衛生環境の品質です。コロナ以降は衛生環境に注目する顧客も増えており、清潔感のない店舗は顧客から支持されにくくなりました。飲食店では食中毒などのトラブルを予防するためにも対策が必須であり、衛生環境を向上させるためには内装の変更なども検討すべきです。
QSCに加えて重視される「VHA」とは
近年では、QSCのプラスアルファとして「VHA」も注目されています。
<VHAとは>
- V…Value(価値)
- H…Hospitality(おもてなし)
- A…Atmosphere(雰囲気)
バリューは、マクドナルドが企業理念に据えるほど重視するポイントです。 ホスピタリティを向上させるためには、顧客ごとに対応を変化させる柔軟性が求められます。また、雰囲気を重視してお店選びをする人も多く、ターゲット層が好む雰囲気を持った店舗作りを進めると、リピーターを確保しやすいでしょう。
QSCを向上・改善するためのポイントとは
QSCを向上・改善するためのポイントを6つご紹介します。今すぐにできる対策もあるので、順番に試してみてはいかがでしょうか。
<QSCを向上・改善するためのポイントとは>
- 定期的に顧客アンケートを実施する
- 決定した施策をマニュアル化して従業員に周知する
- 接客ロールプレイングを行う
- 従業員間で施策を振り返る
- 従業員の身だしなみを整える
- 衛生的な環境に改善する
定期的に顧客アンケートを実施する
店舗やサービスの強みや課題を知るために有効な施策が顧客アンケートです。具体的には、以下の設問をするとQSCを向上させるためのヒントを得られます。
<QSCを向上させやすいアンケートの内容(飲食店の場合)>
- お店を知ったきっかけ
- お店を選んだ理由
- 料理のおいしさや提供時間
- スタッフの接客態度
- お店の雰囲気
- お店の清潔感
- 総合的な満足度
テーブルにアンケート用紙を設置したり、メールマガジンで回答を求めたりしましょう。アンケートの結果を分析して、改善案を検討するのが基本的な流れです。
決定した施策をマニュアル化して従業員に周知する
QSCを向上させるための施策が決まったら、分かりやすいようマニュアルにまとめて従業員に周知します。要点をまとめた用紙を従業員が見やすい場所に貼り出すなどして、従業員の意識を高められると効果的です。
接客ロールプレイングを行う
従業員を「従業員役」と「顧客役」に振り分けて、接客ロールプレイングを行いましょう。従業員が顧客の疑似体験をすることにより、店舗の課題にみずから気付くきっかけが生まれます。また、従業員役のスタッフにとっても、イレギュラーに対応する応用力が身に付きやすいです。
従業員間で施策を振り返る
1日ごと、1週間ごとなどのスケジュールを設けて、従業員間でQSCを振り返る機会を作ることも大切です。とくに顧客からクレームを受けた場合は、その内容と対応を共有することにより、その場にいなかった従業員にもノウハウが蓄積されます。
従業員の身だしなみを整える
クレンリネスを向上させるために大切なポイントとなるのが、従業員の身だしなみです。清潔な印象を与えるために、頭髪や爪の長さなどのルールを決めるなどの対策をとるとよいでしょう。また、汚れたユニフォーム姿のまま顧客の前に出ないなど、服装に関する取り決めも重要なポイントです。
衛生的な環境に改善する
より衛生的な環境に向上させるために、以下のような内装の変更もおすすめします。
<QSCを向上させるための内装案>
- 内装の凹凸をできる限り減らす
- ペンダントライトなどからダウンライトに変更する
- 害虫が出にくい動線に改装する
店内の凹凸をなくすとゴミやほこりが溜まりにくくなり、衛生的な環境を生み出しやすくなります。とくに飲食店において天敵ともいえる害虫も、内装面での死角を減らして巣や卵を作りにくくするなどの対策により、発生を防ぎやすくなるでしょう。
QSCを向上させるメリットとは
QSCを向上させるメリットは次の2点です。以下のメリットには相乗効果も見込めるため、QSCの向上に向けた取り組みは企業にとって重要といえます。
<QSCを向上させるメリットとは>
- 顧客満足度を高めてリピーターを確保しやすくなる
- 従業員のロイヤルティやモチベーションが向上する
顧客満足度を高めてリピーターを確保しやすくなる
クオリティ、サービス、クリンネスの向上により、もっとも大きな恩恵を受けられるのは顧客です。店舗を訪れた人がQSCの高さを実体験すれば、おのずと顧客満足度が高まり、リピーターを確保しやすくなります。
従業員のロイヤルティやモチベーションが向上する
QSCを向上させるための主役となるのは従業員です。従業員が当事者意識を持ち、店舗への貢献度を高めることで、ロイヤルティやモチベーションの向上にもつながります。従業員が快適に働ける環境を整備して、やりがいを持って働けるようになれば、顧客満足度はさらに高まるでしょう。
まとめ
QSCとは「Quality(品質)」「Service(接客)」「Cleanliness(品質)」の頭文字をとった言葉です。QSCを高めることにより、顧客満足度や従業員のロイヤルティ、モチベーションを向上させられます。
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