ゴールデンゾーンとは?重視すべき理由や分析する方法、活かし方をご紹介
スーパーマーケットや雑貨店などの小売業において、売上を上げるために重要なポイントとなるのが商品の陳列です。とくに意識するべきなのは「ゴールデンゾーン」で、ゴールデンゾーンを活かすことにより売上アップを実現できます。
今回はゴールデンゾーンの定義をご紹介したうえで、ゴールデンゾーンを重視すべき理由や分析する方法、ゴールデンゾーンへの設置に適した商品の例を解説します。ゴールデンゾーンの活かし方にも触れているので、売上改善にお役立ていただければ幸いです。
ゴールデンゾーンとは
ゴールデンゾーンとは、顧客がもっとも見やすく、手に取りやすい高さのゾーンです。すべての商品をゴールデンゾーンに陳列することはできないため、設置する商品を戦略的に決めなければなりません。ゴールデンゾーンの次に見やすく、手に届きやすいゾーンのことを、シルバーゾーンと呼ぶこともあります。
男女や子ども別に見たゴールデンゾーンの高さ
ゴールデンゾーンは高さをもとにして考えるため、性別や年齢によりゴールデンゾーンが変わります。
【男女や子ども別に見たゴールデンゾーンの高さ】
性別(年代) | 想定する身長 | ゴールデンゾーンの高さ |
男性 | 170cm | 130cm~160cm |
女性 | 160cm | 120cm~150cm |
子ども | 120cm | 80cm~110cm |
目安として目線の高さより10cm~40cmほど低い位置がゴールデンゾーンです。
ゴールデンゾーンを重視すべき理由
ゴールデンゾーンの活用は、小売店において重要な販売戦略のひとつです。ゴールデンゾーンを重視すべき理由を3つご紹介します。
<ゴールデンゾーンを重視すべき理由>
- 商品の視認率が上がる
- 顧客の購買意欲が上がる
- 商品戦略をテストできる
商品の視認率が上がる
商品を購入してもらうためには、商品が顧客の視界に入らなければなりません。顧客の目に入らない商品は、実質的に陳列していない商品と同じです。ゴールデンゾーンを上手に活用して視認率を上げると、おのずと売上のアップにもつながります。
顧客の購買意欲が上がる
ゴールデンゾーンには売れ筋の商品を陳列するのが基本ですが、そこで高めた顧客の購買意欲を活かせることも、ゴールデンゾーンを活用するメリットです。主力商品の近くに関連する商品や売れ行きが芳しくない商品を設置すると、抱き合わせのようにセットで販売できる可能性が高まります。
商品戦略をテストできる
新商品などをゴールデンゾーンに設置して、顧客の反応を確認しながら商品戦略を立てられることもゴールデンゾーンが重視される理由のひとつです。効果的なマーチャンダイジング戦略を考案するためにゴールデンゾーンを活用するといいでしょう。
ゴールデンゾーンを分析する方法
先述したゴールデンゾーンの高さはあくまでも一般論であり、最適なゴールデンゾーンは店舗によって異なります。自社のゴールデンゾーンがどこなのかを分析する方法は、以下の3つです。
<ゴールデンゾーンを分析する方法>
- 接触・購入商品分析
- 基礎調査
- ABテスト
接触・購入商品分析
接触・購入商品分析とは、商品やメーカーごとに、顧客が接触した回数や購入した回数を調査する方法です。接触回数や購入回数が多いゾーンが、そのお店にとってのゴールデンゾーンになります。調査は複数の箇所で行い、指標値を見つけたうえで分析しましょう。
基礎調査
ゴールデンゾーンの分析には、先述した指標値に加えて、現状の数値を調べる必要もあります。接触回数を調査する場合の数値としては「売り場」「位置」「機能性」「回数」「日時」などのデータを収集しましょう。これが基礎調査であり、基礎調査と接触・購入商品分析の数値は「ABテスト」に用います。
ABテスト
接触・購入商品分析と基礎調査で導き出したデータから、数値の上限を調べるのがABテストです。棚割りや商品変更、施策といった変化が加わったとき、指標値にどのような変化が出るのかを調べることにより、ゴールデンゾーンの存在理由が見えてきます。
ゴールデンゾーンに設置する商品の例
ゴールデンゾーンに設置する商品としておすすめできるのは、以下の3つです。
<ゴールデンゾーンに設置する商品の例>
- 新商品
- 看板商品やよく売れる商品
- 割引品
新商品
世間的な知名度が低い新商品をゴールデンゾーンに設置すると、多くの人の目に留まり、手に取ってもらいやすくなります。積極的に宣伝した商品がある場合は、一時的に売れ筋の商品をゴールデンゾーンから外し、新商品を配置するといいでしょう。
看板商品やよく売れる商品
お店にとっての主力商品も、ゴールデンゾーンへの設置が適しています。売れ筋商品をゴールデンゾーンに設置して、それに準ずるシルバーゾーンに関連商品などを設置すると、両方の商品をセットで購入してもらえる可能性も高くなるでしょう。
割引品
賞味期限が近付いている商品など、割引品も目に留まりやすいゴールデンゾーンへの設置がおすすめです。割引商品と合わせて通常価格の商品を購入する消費者も多いため、お得に感じやすい商品の視認率を高めることも重要です。
ゴールデンゾーンの活かし方
ゴールデンゾーンを上手に活用する方法としては、以下の3点を挙げられます。
<ゴールデンゾーンの活かし方>
- AIDMAの法則を活用する
- 陳列する什器を最適化する
- 陳列方法を工夫する
AIDMAの法則を活用する
消費者が購入するまでの心理状態を表した「AIDMAの法則」を活用しましょう。
<AIDMAの法則とは>
- A…Attention(認知)
- I…Interest(興味)
- D…Desire(欲望)
- M…Memory(記憶)
- A…Action(購入)
消費者は商品を任してから購入するまでに、5つの段階を踏むとされています。この原理をゴールデンゾーンに取り込むことにより、客単価をアップさせることも可能です。
陳列する什器を最適化する
商品の内容がよく、適切な箇所に設置できていても、見せ方が悪ければ十分に魅力が伝わりません。商品の特徴にマッチした形や大きさの什器を導入しましょう。
陳列方法を工夫する
陳列方法には以下のようなものがあります。
【主な陳列方法と見込める効果】
陳列方法 | 見込める効果 |
展示陳列 | 平台などに商品を広げて陳列する |
山積み陳列 | 商品を山積みにし、ボリュームを出して陳列する |
スロット陳列 | ゴンドラとゴンドラの間に陳列する |
ケース陳列 | 搬入用のパッケージをそのまま陳列する |
エンド陳列 | ゴンドラの端に陳列する |
商品ごとに最適な陳列方法を選ぶこともポイントです。
まとめ
ゴールデンゾーンとは、顧客にとってもっとも目に留まりやすく、手に取りやすいゾーンです。ゴールデンゾーンを活用することにより、売りたい商品を売りやすくなるだけでなく、関連商品への注目度も高めて客単価をアップさせられます。
ゴールデンゾーンを最大限に活用したい方は、FACE YOUにご相談ください。貴社のイメージや商品の特徴を細かく確認したうえで、利益を最大化できる内装やレイアウト、什器の選定、陳列方法のご提案などをいたします。