ストアコンセプトとは?必要性や明確にするメリット、具体的な作り方をご紹介
お店を開業するとき、真っ先に決めるべき方針となるのが「ストアコンセプト」です。ストアコンセプトとは、店舗の基本理念に該当する言葉で、誰に向けてどのようなサービスを提供するのかといった、お店の概要を定めるうえで必要不可欠な概念といえます。
この記事では、ストアコンセプトが必要な理由や、ストアコンセプトを明確にするメリットをそれぞれ3つずつご紹介します。また、ストアコンセプトの作り方についても解説するので、ゼロからお店の開業を検討している方の参考になれば幸いです。
ストアコンセプトとは
ストアコンセプトとは、店舗の基本理念に該当する言葉です。基本的には、以下の3つを明確にしたものをストアコンセプトと呼んでいます。
【ストアコンセプトの基本】
誰に | お店がターゲットにする顧客は誰なのか |
何を | ターゲットに向けてお店が提供できる価値は何なのか |
どのように | どのような商品やサービスを提供するのか |
たとえば「誰に」の部分が曖昧な状態では、提供する商品やサービスにどのような強みを持たせるといいのか、価格帯はどれくらいに設定すると良いのかなどを判断できません。「誰に」「何を」「どのように」を明確化することにより、どんなお店を運営するべきなのかが見えてきます。
ストアコンセプトが必要な3つの理由
ストアコンセプトを明確にしていない状態でも、予算さえあれば店舗を開業することは可能です。しかし、以下のような理由により、開業前にストアコンセプトを明確化させることをおすすめします。
<ストアコンセプトが必要な3つの理由>
- 店舗経営の柱を作るため
- 顧客満足度を向上させるため
- 事業資金を借りるため
店舗経営の柱を作るため
ストアコンセプトは、経営者が原点に立ち返る柱になるものです。どこに出店するのか、何を仕入れるのかといった基本的な判断は、すべてストアコンセプトに沿って行います。明確で強いストアコンセプトを持っていれば、それをもとにした方針や戦略を立てられるため、経営の軸を作ることが可能です。
顧客満足度を向上させるため
ストアコンセプトが明確化されていれば、ターゲットとする顧客の期待にそった商品やサービスを継続的に提供できる可能性が高いです。
ストアコンセプトが曖昧だと、経営方針がチグハグになりやすく、「高級店だと思って期待したのに内装がチープだった」といった不満を与えかねません。ストアコンセプトに沿って運営すると、お店の商品や接客、内装などの雰囲気に統一感が生まれて、顧客の期待に応えやすくなります。
事業資金を借りるため
金融機関から融資を受ける場合、審査の一環として事業計画書の提出が求められる場合があります。事業計画書はストアコンセプトに沿って作成するものであり、ストアコンセプトが明確でなければ金融機関から評価されません。お店が明確なストアコンセプトを用意しているかどうかは、融資においても重要な判断項目となるのです。
ストアコンセプトを明確にするメリット
ストアコンセプトを明確にするメリットとしては、以下の3点を挙げられます。
<ストアコンセプトを明確にするメリット>
- 特定の顧客に深く訴えかけられる
- 競合との差別化を図りやすくなる
- 顧客の印象に残るためリピーターを獲得しやすくなる
特定の顧客に深く訴えかけられる
ストアコンセプトが明確なお店は、特定の顧客層から積極的に選ばれやすいです。たとえば「昭和をテーマにした貴重なレコードを聴けるカフェ」をストアコンセプトにすると、近隣の歌謡曲ファンなどから注目されるだけでなく、遠方から足を運んでくれるファンも獲得しやすいでしょう。
競合との差別化を図りやすくなる
ストアコンセプトが不明瞭な場合、顧客がお店を選ぶ基準は「価格の安さ」に行き着いてしまい勝ちです。これでは大量の仕入れによる薄利多売が可能な競合に勝つことが困難ですが、そのお店ならではの個性や魅力が明確に伝われば、他社との差別化を図れます。
顧客の印象に残るためリピーターを獲得しやすくなる
ストアコンセプトが明確なお店には、商品やサービスの中身から店内の雰囲気にいたるまで一貫性があり、顧客の印象に強く残ります。そのため、お店との相性がいい顧客はリピーターになりやすく、リピーターの口コミや評判から新規顧客を開拓できる可能性も高くなるでしょう。
ストアコンセプトの作り方
ストアコンセプトの作り方は、先ほどご紹介した「誰に」「何を」「どのように」以外にも4つあります。それぞれのポイントに方針を当てはめながらストアコンセプトを作り、より完璧な状態に仕上げましょう。
<ストアコンセプトの作り方>
- 「誰に」
- 「何を」
- 「どのように」
- 「いつ」
- 「どこで」
- 「誰と」
- 「どれくらいで」
「誰に」
性別や年齢、生活レベル、一人なのか複数人なのかなどの項目から、誰をターゲットにするのかを定めます。飲食店の場合、個人向けならカウンター席を広く取るといいですし、団体向けならテーブル席や大広間のスペースを多く取ると効果的です。
「何を」
商品やサービスの内容を決めます。飲食店の場合は、メニューだけでなく提供するスタイルも考えましょう。もしテイクアウトに力を入れるならば、入口に専用のカウンターを設けるとスムーズです。
「どのように」
どのようなシチュエーションで利用してもらえるお店なのかを考えます。仮にデートで利用してもらう飲食店を作りたい場合は、ペアシートを設けたり、夜景が見えるなど眺望のいい立地のテナントを確保したりといった戦略を立てることが重要です。
「いつ」
いつまでにオープンするのかを決めます。たとえばアパレル店の場合、季節によって主力商品が大きく異なるため、アウター類やマフラーなどの小物を売りたい場合は、本格的な寒さが到来する前の9月~10月ごろの開店を目指すといいでしょう。
「どこで」
ターゲットとする客層に合ったエリアを選びます。平日か休日か、昼か夜かによって客層がガラリと変わる街も多いため、時間帯ごとの市場調査を行いましょう。
「誰と」
店舗で一緒に働くのが誰なのかを考えます。社員数やパート・アルバイトの人数、もしくは男女比によって、必要となるバックヤードの広さや間取りが変わるため、注意が必要です。
「どれくらいで」
どれくらいの予算をかけるのかを決定します。店舗の運営には、物件の契約や内装工事などにかかる初期費用と、家賃や光熱費、仕入れ費といったランニングコストがかかります。何年後に投資を回収して黒字化させるのか、明確に目標を定めて、無理のない予算を組むことが大切です。
まとめ
ストアコンセプトとは、店舗の基本理念を表す言葉です。ストアコンセプトを明確にすると、店舗経営の柱を作ることができ、困ったときや悩んだときに原点に立ち戻れます。競合との差別化やリピーターの獲得を狙ううえでも、ストアコンセプトを明確にすることが重要です。
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