カウンター
2024年07月03日

適切なカウンターの高さとは?バーなどの飲食店や受付に適したタイプをご紹介

レストランやバー、企業や病院などの受付といった、あらゆる施設にカウンターが設置されています。カウンターは入口近くに配置される場合が多く、顧客の第一印象を左右する重要な場所です。

そんなカウンターを設置するとき、とくに重要視するポイントとなるのがカウンターの高さです。今回はカウンターの種類ごとに見た平均的な高さや、カウンターの高さを決めるときのポイント、そしてカウンターに使われる主な素材について解説します。

カウンターの高さは大きく分けて3種類

カウンターの種類は大きく以下の3つに分かれており、それぞれ高さの目安が異なります。まずは目的に応じて高さを決め、最適な種類のカウンターを見つけましょう。

<主なカウンターの種類と目安となる高さ>

  • ローカウンター…高さ70cm前後
  • ミドルカウンター…高さ85cm前後
  • ハイカウンター…高さ100cm前後

ローカウンター…高さ70cm前後

ローカウンターは、家庭用のダイニングテーブルと同じくらいの高さなので、顧客が疲れにくいことが特徴的です。155cm前後の人が座っても足が床につくため、顧客に長期間滞在してもらいたい場合に設置するといいでしょう。

【ローカウンターの概要】

特徴
  •  長時間の滞在を見込めるため客単価が上がりやすい
  • 子どもからお年寄りまで幅広い年齢に対応できる
  • 裏側の作業スペースを覗かれにくい
  • 従業員が顧客を見下ろす高さのため圧迫感を与えやすい
おすすめの業種 ホテルのバー、居酒屋、小料理屋など

ミドルカウンター…高さ85cm前後

ミドルカウンターは、家庭用のキッチンと同じくらいの高さで、平均的な日本人が座ると足のつま先が床につくか付かないか程度の高さです。従業員と顧客の目線が同じ高さで会うため、親しみやすい雰囲気を生み出したい場合に選ぶといいでしょう。

【ミドルカウンターの概要】

特徴
  • ハイカウンターと比較してゆったり座りやすい
  • 高身長の顧客は長時間滞在しても疲れにくい
  • 従業員と顧客が会話をしやすい
  • 対応できる高さの椅子が少なくコンセプトに合わせにくい
おすすめの業種 カジュアルなレストランや寿司店など

ハイカウンター…高さ100cm前後

ハイカウンターは立ち飲みのカウンターと同じくらいの高さで、着席したとき床に足がつく人はごくわずかです。従業員と顧客の両方が立ち上がった状態と変わらない目線になるため、コミュニケーションを取りやすく、圧迫感を与えません。

【ハイカウンターの概要】

特徴
  • 従業員と顧客がコミュニケーションを取りやすい
  • 間口が狭い店舗でもレイアウトに組み込みやすい
  • 回転率を上げやすい
  • 顧客がリラックスしにくいため長時間の滞在は見込めない
おすすめの業種 企業をはじめとする受付、バー、立ち飲み屋など

カウンターの高さを決めるときのポイント

カウンターの高さを決めるときは、以下のポイントに注目しましょう。

<カウンターの高さを決めるときのポイント>

  • 店舗のコンセプトを明確にする
  • 顧客の目線から高さを決める
  • 高さ以外の機能性にも注目する
  • 横幅や奥行きにもゆとりを持たせる

店舗のコンセプトを明確にする

まずは店舗のコンセプトを明確にしましょう。どのような商品やサービスを提供するのか、ターゲット層はどんなタイプなのかを明確にすると、最適なカウンターの高さが見えてきます。店舗や企業のコンセプトや事業計画を明確にして、全体の雰囲気とマッチしたカウンターを設置することが大切です。

顧客の目線から高さを決める

顧客の目線の高さが、従業員の目線の高さと合いやすいかどうかも確認するべきポイントです。基本的には従業員が顧客を見下ろさない高さに設定することをおすすめします。ローカウンターの場合、台の上に椅子を設置したり、反対に従業員のスペースを1段下げたりすると対策が可能です。

高さ以外の機能性にも注目する

高さ以外にも注目して、機能性が優れたカウンターを選びましょう。裏側に収納スペースや配線、傾きを調整する機能などが付帯したカウンターも販売されています。受付のカウンターには無人タイプもありますが、この場合はタブレット端末を起動できるように、電源と配線収納機能が付いたカウンターがおすすめです。

横幅や奥行きにもゆとりを持たせる

着席した顧客が圧迫感や不快感を覚えないカウンターの横幅は75cm以上、奥行きは45cm以上です。回転率を重視する場合も、最低限のゆとりを持って着席できる広さを確保しましょう。仮にカウンターを6席作りたい場合は、75cm×6=4.5mのカウンター幅が必要です。

カウンターに使われる主な素材

カウンターに使われる主な素材は、次の5つです。素材はカウンターの雰囲気を大きく左右するので、高さと同様に素材選びも大切にしましょう。

<カウンターに使われる主な素材>

・木材
・左官素材
・メラミン樹脂
・クロス張り
・漆喰

木材

自然の温かみがあり、親しみやすい雰囲気を生み出せることが特徴的です。素材によっては傷やシミなどが味になり、経年変化も楽しめます。一方で反りやすいことや汚れやすいことは木材の欠点です。木材のカウンターは、主にレストランやバーカウンターにおすすめできます。

左官素材

2010年代から多用されるようになった新しい素材です。耐久性や耐火性に優れており、モダンな雰囲気に仕上がることが左官素材の特徴といえます。注意点は、その他の素材と比較してやや高額なことです。落ち着いた雰囲気のバーカウンターやカフェのカウンターにおすすめできます。

メラミン樹脂

メラミンとホルムアルデヒドを合成して作った樹脂で、木目柄や金属柄などさまざまな模様から選べます。傷や汚れが付きやすく、価格が安いことがメリットですが、人工的な素材のため高級感は出ません。カジュアルな雰囲気の飲食店に適しています。

クロス張り

カウンター付近にある壁紙と同じクロスで仕上げるカウンターです。空間に統一感が出るため、周囲の雰囲気に馴染むことがメリットですが、天板には別の素材を用いる必要があるためコストがかさみます。オフィスなどの受付に設置するカウンターにおすすめです。

漆喰

無機質でクールな印象を与えやすい素材です。特有の存在感があるため、個性的な空間に設置すると目を引きますが、コストが高いことは欠点といえます。また、耐水性が低いため、飲食店のカウンターには適していません。

まとめ

カウンターの種類は「ローカウンター」「ミドルカウンター」「ハイカウンター」の3種類です。企業や店舗のコンセプトによって適切なカウンターの高さが異なります。また、従業員が顧客を見下ろさないようにする、ゆとりのあるスペースを確保するといった、内装面の工夫も凝らしながら設置するカウンターを決めましょう。

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