多店舗展開
2024年08月02日

多店舗展開のメリットやデメリットとは?成功させるポイントや始めるタイミングなどをご紹介

店舗の売上が好調で、支店・2号店の展開を検討されている方も多いでしょう。複数の店舗を展開することを「多店舗展開」と呼びますが、多店舗展開にはデメリットもあるため、好調なときほど足元をすくわれないように注意しなければなりません。

この記事では、多店舗展開のメリットやデメリットをご紹介することに加えて、多店舗展開を成功させるコツについても解説します。また、多店舗展開を実行するのにふさわしいタイミングもご紹介します。

多店舗展開のメリット

「支店」「2号店」をつくり、複数の店舗を同時に経営するのが「多店舗展開」です。多店舗展開に乗り出すメリットとしては、以下の5点を挙げられます。

<多店舗展開のメリット>

  • 企業の売上が上がる
  • 従業員のモチベーションが向上する
  • 仕入れ費が下がる可能性がある
  • 自社の知名度が上がる
  • 経営が悪化した際のリスクを分散できる

企業の売上が上がる

多店舗展開により1日あたりの来客数が増えるため、売上の向上を見込めます。1店舗だけを経営する場合は集客や売上に限界がありますが、多店舗展開により店舗数の分だけ利益が増える可能性が高いです。また、多店舗展開はブランディングにもつながるため、投資的な効果にも期待できます。

従業員のモチベーションが向上する

多店舗経営を始めると「店長」「SV」「責任者」といった役職や肩書きが付く従業員が増えます。これがモチベーションの向上につながり、店舗の経営に好影響を与える可能性が高いでしょう。待遇の改善により、生産性を高められるだけでなく、定着率が上がる場合もあります。

仕入れ費が下がる可能性がある

多店舗展開を始めると、大量の仕入れが必要になるため、仕入れ先との関係性が向上します。これにより、大量購入する場合の仕入れ値を引き下げられる可能性が高まるほか、仕入れに関する融通を利かせやすくなることも多店舗展開のメリットです。

自社の知名度が上がる

店舗数が増えると、お店の名前やロゴなどが多くの人の目に触れるようになるため、自社の知名度が上がります。知名度が上がれば広告への依存度が下がるため、経費削減も実現しやすいでしょう。また、複数の店舗があると消費者に安心感や信頼感を与えられます。

経営が悪化した際のリスクを分散できる

単独経営の場合は当月の赤字がそのまま企業全体の赤字になりますが、他店で黒字が出れば赤字を補うことが可能です。安定した売上に期待できる主軸店があれば、広告を兼ねて赤字覚悟で一等地に出店するなどのチャレンジもしやすくなります。

多店舗展開のデメリット

多店舗展開にはメリットが多い一方で、以下のようなデメリットもあるため注意が必要です。

<多店舗展開のデメリット>

  • 高額な初期費用がかかる
  • 従業員と直接的なコミュニケーションを取りにくくなる
  • お金の管理で問題が起きる場合がある
  • 人件費などのランニングコストが増える

高額な初期費用がかかる

新店舗をつくるときには、物件の取得費や什器や備品を購入する費用、新しく採用する従業員のトレーニング費といった高額な初期費用がかかります。十分な余裕がない状態で多店舗展開に乗り出すと、経営が悪化した場合の資金繰りに苦労するため、注意しましょう。

従業員と直接的なコミュニケーションを取りにくくなる

現在の店舗と新店舗の距離が離れると、経営者が従業員と直接的なコミュニケーションを取る機会や時間が減ってしまいます。細かなサポートや従業員の管理がしにくくなるため、信頼できる従業員を育成・採用して、管理や指導などの裁量を与えなければなりません。

お金の管理で問題が起きる場合がある

多店舗経営を始めると売上の管理が複雑化するほか、金銭的なトラブルが発生する可能性もゼロではありません。持ち逃げや不正な会計を行われるといった被害に遭うリスクもあるため、万一に備えて目を光らせる必要があります。

人件費などのランニングコストが増える

ランニングコストが増えることにも注意が必要です。家賃や人件費、光熱費、仕入れなどのコストが増えるため、売上が上がったとしても、必ずしも黒字になるとは限りません。日ごろから店舗作業や物流などの経費削減を図り、利益を増やす努力が必要です。

多店舗展開を成功させるポイント

多店舗展開を成功させるために、4つのポイントを意識しましょう。

<多店舗経営を成功させるポイント>

  • マニュアルを整備する
  • 本部と店舗で密な連携を取る
  • 撤退ラインを設定しておく
  • 内装や外装に一貫性を持たせる

マニュアルを整備する

複数の店舗を運営すると従業員の人数が増えるため、サービスにムラが出たり、サービスの質が低下したりする恐れがあります。全店舗で同じ水準のサービスを提供するためにマニュアルを整備して、全店舗で共有し、きちんと守られているかどうか定期的に調査しましょう。

本部と店舗で密な連携を取る

本部の意思決定や方針が店舗へ正確に伝わるように、密な連携を取ることも重要です。エリア内の店舗の状況を把握して本部に報告するSV(スーパーバイザー)などのマネジメント職を用意して、情報や問題点を速やかに共有する体制を整えましょう。

撤退ラインを設定しておく

最悪の場合を想定して、あらかじめ撤退ラインを決めておくことも重要です。満を持して展開した支店・2号店で赤字が続くと、企業全体の経営状況が悪化します。累積の赤字額が一定の金額に達した場合や、1年間赤字経営が続いた場合などには撤退し、ロスカットすることも意識しましょう。

内装や外装に一貫性を持たせる

本店と支店・2号店以降で、内装や外装に一貫性を持たせることもブランディングを成功させるためのポイントです。店舗の雰囲気や方向性が一致していると、消費者の自社のイメージを定着させられます。多店舗展開を機にイメージチェンジを図る場合は、支店・2号店だけではなく、本店も合わせて内装・外装を変更しましょう。

多店舗展開を始めるのにふさわしいタイミング

多店舗展開を始めるのに最適なタイミングは、次のとおりです。

<多店舗展開を始めるのにふさわしいタイミング>

・1号店が安定して黒字を出しているとき
・お金の管理などを任せられるスタッフがいるとき
・初期費用を用意できるとき、または金融機関から融資を受けられるとき

このような条件が整っているならば、さらなる売上アップや知名度向上に向けて多店舗展開を検討するといいでしょう。

まとめ

多店舗経営によるメリットは、売上や従業員のモチベーション、知名度の向上などを見込めることです。マニュアルを整備して共有したり、すべての店舗の内装や外装に一貫性を持たせてブランディングしたりすることによって、多店舗展開を成功させられる可能性を高められます。

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