視認率
2024年07月26日

視認率とは?向上させる7つの方法と効果的な内装リニューアルの戦略をご紹介

スーパーマーケットなどの小売店において、売上を上げるために重要な指標となるのが「視認率」です。視認率が向上すると、商品を手に取ってもらう機会が増えるため、売りたい商品だけではなく関連する商品の売上アップも見込めます。

それでは、どのような工夫をすると商品の視認率が向上するのでしょうか。この記事では、視認率とはなにかについて解説したうえで、視認率を向上させる7つの方法と、視認率向上に向けた内装リニューアルの方法をご紹介します。

視認率とはなにか

視認率とは、陳列した商品を顧客が見る確率のことです。どれだけ丁寧に陳列したとしても、顧客の目に入らなければ意味がありません。安定した売上を確保するためには、第一に視認率を向上させて、商品の存在を顧客にアピールする必要があります。

売上は視認率に比例して伸びるといわれている

商品の売上は、視認率に比例するといわれています。つまり、現時点では売上が伸びない商品だとしても、視認率を改善するだけで売上が大幅に上がる可能性があるのです。「売れない商品」と切り捨てて諦めてしまう前に、視認率向上に向けた対策を試す価値があります。

視認率を向上させる7つの方法

視認率を向上させる方法は次の7つです。基礎的なポイントも含まれますが、改めて陳列方法を見直してみて、それでも大きな改善が見られない場合は内装のリニューアルも検討しましょう。

<視認率を向上させる7つの方法>

  • 店舗の大きさに合わせて陳列面を増やす
  • もっとも売りたい商品をゴールデンゾーンに置く
  • 顧客の目線の動きを考慮して陳列する
  • 人気商品への注目を利用する
  • 売れやすい場所に配置する
  • 前だし陳列を行う
  • 内装のリニューアルを検討する

店舗の大きさに合わせて陳列面を増やす

視認率を高めるための基本は、陳列面を増やすことです。陳列面が多ければ多いほど、顧客の目に留まる商品の数が増え、視認率の向上につながります。しかし、陳列面が多すぎると顧客を疲れさせてしまうため逆効果です。適切な陳列面の数は、坪数に応じて以下のように異なります。

<坪数ごとに見た適切な陳列面の数>

  • 300坪前後まで:3面~5面
  • 600坪前後まで:5面~7面

十分な商品量を陳列できれば、在庫切れを起こしにくくなるため、作業効率も上がります。

もっとも売りたい商品をゴールデンゾーンに置く

ゴールデンゾーンとは、もっとも顧客の目に留まりやすく、手が届きやすい高さのことです。同じ価格・知名度・原料の商品で比較した場合、ゴールデンゾーンにある商品のほうが購入されやすい傾向にあります。ゴールデンゾーンの高さは、顧客の身長により異なり、次のとおりです。

【男女や子ども別に見たゴールデンゾーンの高さ】

性別(年代) 想定する身長 ゴールデンゾーンの高さ
男性 170cm 130cm~160cm
女性 160cm 120cm~150cm
子ども 120cm 80cm~110cm

顧客の目線の動きを考慮して陳列する

顧客が棚の前に立ったとき、顧客から見て中央とやや右側に置かれた商品の購買率が高い傾向にあります。この理由として考えられるのが以下の3点です。

<棚の中央と右側が注目される理由>

  • 正面に立ったとき、目の前にある中央がもっとも視認しやすいため
  • 右利きの人は棚の右側にある商品に手が届きやすいため
  • 人間は左上から右下に向けて目線を動かす性質を持っているため

人間はこのような習性を持つため、視認率を高めたい商品は棚の中央と右側に配置しましょう。左側にある商品の視認率も高めたい場合は、ポップなどの販促物を使って宣伝するのがおすすめです。

人気商品への注目を利用する

チラシなどに掲載している人気商品には自然と注目が集まります。これを利用して、あまり人気のない商品を訴求する方法も有効です。売上の多い商品の両脇に視認率を高めたい商品を配置する戦略を「サンドイッチ陳列」といい、視認率を向上させるテクニックとして活用されています。

売れやすい場所に配置する

視認率を高めたい商品を、商品が売れやすい場所に設置する方向も有効です。

<商品が売れやすい場所の一例>

  • 入口付近(顧客の第一印象に残りやすいため)
  • レジ前(会計待ちの間に立ち止まるため)
  • 店舗の奥(方向転換の際に立ち止まるため)

これらの場所にセール品が置かれることが多いのは、このためです。

前だし陳列を行う

前だし陳列とは、特定のタイミングで商品を棚の一番前に移動させる陳列方法です。コンビニの棚で、押し出されるように並んでいるおにぎりが印象に残っている方は多いのではないでしょうか。これは商品の視認率を高めるための取り組みとして行われています。

内装のリニューアルを検討する

ここまでにご紹介した方法で、視認率や売上の向上が見られない場合は、内装のリニューアルを検討しましょう。動線の見直しや什器の変更、棚のレイアウトそのものを改善することにより、視認率が向上する確率が上がります。次の項目では、視認率を上げる内装のリニューアルの方法をご紹介します。

視認率を上げる内装リニューアルの方法

視認率を上げるうえで有効な内装リニューアルの方法は次の3つです。視認率アップに向けた根本的な改善策になるため、内装業者への相談も検討しましょう。

<視認率を上げる内装リニューアルの方法>

  • 設備の入れ替え・新しい設備の購入
  • 動線の見直し
  • デザインの変更

設備の入れ替え・新しい設備の購入

古くなった設備を交換して美しい見栄えになると、おのずと視認率が上がります。設置する商品に応じて適切な大きさやデザインの什器を導入することも、視認率向上に向けて有効な内装リニューアルのひとつです。

動線の見直し

動線を見直すと、顧客の過ごしやすさと従業員の業務効率の両方を改善できます。棚の数を増やす場合、レイアウトそのものを変更する必要があり、その場合は動線の見直しも必須です。顧客の目線の動きなども意識しながらレイアウトを検討するといいでしょう。

デザインの変更

壁紙の色や柄を変えたり、スポットライトを設置したりなど、売り場のデザインを変更する改装も効果的です。改装にかける費用を抑えやすいこともメリットで、様子見を兼ねて改装を試みる場合にもおすすめできます。

まとめ

視認率とは、陳列した商品を顧客が見る確率のことです。売上は否認率に比例するといわれており、売上を上げるためには視認率を高めなければなりません。視認率を向上させる施策を試し、効果が見られない場合は、設備の入れ替えや動線の見直しといった改装も検討しましょう。

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